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【庭】銀閣寺
 聞くところによれば、通は、銀閣寺なんて呼ばないで、慈照寺銀閣と呼ぶのが粋なんだそうですが、こんなところで粋がってみても仕方がないので、普通に銀閣寺にしておきます。

 入り口は、かの有名な銀閣寺垣と呼ばれる垣根です。


 この入り口では、両側を高く遮蔽し、視界を狭めておいて、行き当たったところで一気に広げて視界を広く見せる、という効果があると言われています。
 修学院離宮などでも、効果的にこの手法は使われています。

 銀閣といえば、足利義政です。
 足利義政と言えば、あの応仁の乱の原因を作ったと言われ、人々が疫病と飢饉に苦しむ中、ひたすら道楽に耽って(つまり銀閣を作ったり)、散在しまくったりと、悪名高き将軍様のひとりでございます。
 今は苔寺で有名な西芳寺と同じような庭園が欲しくて欲しくてたまらなくて、銀閣寺の庭は西芳寺を真似して作ったと言われます。
 ただ、現在の西芳寺が当時の面影をほとんど残していないのと同じく、現在の銀閣寺の庭園も当時の面影はほとんど残していないと言われています。

 かの有名な向月台と銀沙灘も江戸時代に、たまたまあまった白砂利を意匠化したら、こっちの方がいいや!と有名になってしまったとの事ですし、冗談のような本当の話だそうです。


 唯一、当時のままではないかと言われている石組みは、昭和六年に発掘されたものとのことです。
 

 肝心の銀閣寺ですが、なんと修復工事中で、ただいま解体中でした。


 数年前に親方がひとりで見に来たときにも、相当古ぼけているなーと感じたそうなので、何年後かに現代の職人の手によって蘇った銀閣寺を見られるのを楽しみにしています。

 銀閣で驚いたのは、お手入れの見事さです…
 って毎回毎回お手入れチェックして、どこぞの意地悪な小姑のようだと思っている方も少なくないかも知れませんが、今回はひと味違います。



 これ、いわゆる普通のサツキなんですが、見て驚愕、唖然呆然です。
 なんと、まったく刈込をしていないのです。
 どういうことかといいますと、植木屋さんお馴染みの刈込鋏を一切使わず、木鋏(小さな鋏)で、一本一本枝を抜いて透かし剪定をしていったということなのです。
 刈込を使わない方がキレイに仕上がるのは間違いありません。
 ただ、そのぶん、手間がかかるので、小さなサツキなどはどうしても刈込鋏を使いたくなってしまうものです。
 ですから、1本や2本、あるいは5本や10本のサツキなら、透かし剪定というのも分かります。
 が、ここでは、銀閣寺中にある、どれだけの数になるのかわかりませんが、すべてのサツキ、ドウダンなどの小木を含めた木々が、透かし剪定のみで仕上げてあるのです。

 ここまで来ると、これは、もう根性です、気合いです。
 これぞ京都、いや、見事、あっぱれです。
 庭狂いの義政公も、これを見ればしみじみと満足して下さるに違いありません。
 東山からの眺望もすっかり悪くなってしまった京都を見て、京都けなしモードに入りかけていたのですが、呆れるくらい丁寧な手入れを見て、すっかり気分が良くなりました。
  
| 庭&旅 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
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