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【庭】東福寺方丈・八相の庭
 東福寺方丈・八相の庭と言えば、作庭家重森三玲の代表作として有名なお庭です。
 ここ最近の重森三玲再評価ブームで、庭にあまり興味がない方でもその名をご存じの方も多いのではないかと思います。
 明治生まれで、大正・昭和期に活躍した作庭家&庭園研究家です。
 最初は、画家を目指して上京したそうですが、周囲の全国から集まった才能ある画家志望の人たちを見て、自分は画業を断念したそうです。
 名前を「落穂拾い」で有名な画家のミレーからとって三玲としたあたりに、その気持ちが出ていますね。

 山縣有朋ではありませんが、三玲もそれまでの庭とは一線を画し、美術的要素を取り込んだ庭を作ったと言われています。
 根強いファンも少なくないようですが、松尾大社の庭など幾つか京都で庭を見た限りでは、あまりいい印象がありませんでした。
 狙い過ぎの感が強くて、イマイチしっくりこなかったのです。

 そうはいっても、東福寺方丈・八相の庭は重森三玲の中でも代表作と言われるものですから、人にケチを付けるなら、代表作を見てから付けなくては! と出かけてきたのでした。
 実は、昨年のお正月も東福寺には来ています。
 しかしながら、なぜか拝観が休みの日で、すごすごと引き返したという苦い思い出があるのでした。
 今年は昨年のリベンジも兼ねています。
 東福寺のサイトを見て、きちんと拝観日もチェック済みです。
 意気揚々と「名庭 八相の庭」の看板へと向かいます。

 中に入ってみてみると、
 

 あららら…、
 なかなか、いいじゃないですかー。

 

 この苔張りの築山なんて、よく思い切って苔だけにできたな、と思います。
 この高さの築山を作ると、どこかに石を入れたりしたくなると思うんですが、この思い切りぶりは、元・美術家志望の面目躍如といった感じです。

 石組みも、力強く、かといってうるさすぎず、雄大さを感じさせます。
 

 有名な市松模様の北庭です。

 後ろが、モミジばかりの谷になっているので、紅葉時期は印象がまた違って見えるのでしょう。

 今回この庭を見て、重森三玲の印象が少し変わりました。
 やはり、代表作は見ておくものですね。
 一つ気になるのは、東福寺のみならず、京都全般で苔の状態が悪くなってきているらしいということ。
 この八相の庭でも、苔張りの築山部分などは、傷みが見て取れましたし、市松模様の北庭も、写真集などで見たよりは、状態がよくない気がします。
 原因は何なのかわかりませんが、ちょっと心配ですね。

 今年のお正月の京都庭巡りは、これにて終了です。
 毎年京都にばかり寄っていると、さすがに食傷気味になって新鮮みも薄れてきてしまいました。
 京都も古いお寺さんなどは多いものの、町並みはもうすっかり東京と同じになってしまっていますしね…。
 来年からは、また違うところを巡る旅を計画してみます。
 家で寝正月というのも、一度くらいはしてもいいかな、と思っているんですが…。



 
| 庭&旅 | 18:01 | comments(1) | trackbacks(0) |
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| - | 2009/02/16 3:39 PM |
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